またまた良質なScratchの入門書が登場しました。CoderDojo Japanの公式ブックです
CoderDojoというのは、ボランティアで開催されている子ども(7~17歳)向けのプログラミングクラブ。アイルランドで始まったボランティア活動で、日本にも60箇所以上の道場があります。日本の「道場」という言葉が「Dojo」として全世界で利用されているのは嬉しいですね。そこに集まる子どもたちはNinja(ニンジャ)と呼ばれています。僕もいつかは何らかの形で携わってみたいなーと思っています
この本は、小3のタカシくんと小4のマイコちゃんが全国の道場を回って、いろんなプログラミングにチャレンジしていくという内容。全部で6つのプログラムを作成します
- ニンジャを着せかえよう!(柏道場)
- 図形をかいてみよう!(仙台道場)
- ピアノを演奏しよう!(長岡京道場)
- クイズゲームを作ろう!(西宮・梅田道場)
- 画面をスクロールさせよう!(奈良道場)
- シューティングを作ろう!(小平道場)
各地の道場の紹介にもなっています
最後の「CoderDojoについて」という保護者と一緒に読む章以外は、全て漢字にルビがふられているので、子どもだけで読み進められます
作成するプログラムを簡単にご紹介
ニンジャを着せかえよう!
簡単な着せ替えプログラム。スプライトの位置や重なり順の調整方法、スプライトのコスチューム変更と背景の変更について学べます
図形をかいてみよう!
ペンを使っていろんな図形を描きます。他の書籍ではあまり触れられないスタンプ機能についての解説があります。数値をちょっと変えるだけで全く違った図形が描けるのはプログラミングの醍醐味ですね。角度についての知識がないと、ちょっと理解するのが難しいかもしれません。チャレンジするなら小3以降でしょうか
ピアノを演奏しよう!
キーボードで演奏できるピアノを作成します。音を鳴らす方法について学べます。複数の鍵盤を押して同時に音を鳴らすことができる実装方法と、単音でしか鳴らないようにする2種類の方法が紹介されています
クイズゲームを作ろう!
変数とリストについて学べます。リストがたくさん出てくるので、ゆっくり丁寧にやらないとちょっと混乱するかも?
画面をスクロールさせよう!
スプライトを動かす方法と、背景を無限にスクロールさせる方法が学べます。Scratchではスプライトを動かす方法が複数用意されていますが、この章を読めばバッチリ理解できます
シューティングを作ろう!
シューティングというと、自機をコントロールして敵機を撃ち落とすSF的なものを想像してしまいますが、ここではニンジャが敵ニンジャを手裏剣で倒すゲームをつくります。スプライトをコントロールする方法と、乱数とクローンについて学べます。このプログラムと前に学んだ背景スクロールを組み合わせると本格的なゲームが作れそうですね
感想
それぞれの章で作るプログラムをシンプルなものにする代わりに、他の書籍ではあまり触れられていない細かなところまでが丁寧に解説されています
スプライトの初期位置の簡単な設定方法、プログラムの複製方法、スプライトの中心設定・・・などなど。すでに他の初心者向けの書籍を読んだ場合でも、この本を読んで発見することはたくさんありそうです
タカシくんがアイデアを膨らませながらプログラムを作っていく過程は、自分がプログラミングするときの参考になると思いますよ!