「藤子・F・不二雄の発想術」はドラえもんの作者、藤子・F・不二雄先生が残された言葉を拾い集めて再構成した本。非常に解りやすい言葉で綴られたメッセージからは、真面目な先生の人柄がひしひしと伝わってきます。創作に関わる人は必読の一冊だと思います。ちなみに漫画の台詞などからの引用はありません。
目次です
第1章 僕の歩んできた道
- 少年時代
- 手塚治虫先生との出会い
- プロのまんが家に
- トキワ荘時代
- スタジオ・ゼロ時代
- ドラえもん誕生
第2章 僕のまんが論
- ナントカ カントカ
- 普通の人プラスアルファ
- 「子どもまんが」を描くということ
- いただきのすすめ
- 奇妙奇天烈摩訶不思議
- パターン化という落とし穴
- キャラクターの独り歩き
- まんがの話術
- 小さな断片を紡ぐもの
- 描けば描くほど・・・・・・
- 僕のタネ手帳
- 「人間を描く」ということ
- マイナスを転じてプラスとする
- まんがという表現形式
- 夢や冒険に憧れる心は失ってほしくない
- ありそうもない話をありそうに描きたい
- どんな時代にあっても子どもの本質は変わらない
- 意外性と含んだ「まんが」が出発点
- 子どもまんがと私
第3章 僕の仕事術
- 創造の心構え
- アイディアとキャラクターの作り方
- 読者に伝えるために
第4章 まんが家を目指す人に
- 藤子不二雄賞の総評より
- 藤子・F・不二雄 主要作品リスト
- あとがきにかえて
優しい言葉で、かつ無駄が削ぎ落とされた文書はすっと頭に入ってきます。先生の漫画をそのまま文章にした感じですね。初めて読む文章が満載で非常に読み応えのある一冊でした。できればこのように抜粋された形ではなく、全文を集めた本を出して欲しいです。