文・谷川俊太郎さん、絵・和田誠さんの絵本です。
見開きページに1文というシンプルな絵本です。短い文章なので子どもにもわかりやすく、心に響きやすいと思います。
大人の僕でも読んでいて、あー友達ってそうだなぁと思えるページがいくつもありました。
ただ、短い言葉であるが故に、子どもが勝手に解釈を広めてしまう部分もあるかもしれないので注意が必要かな、と思いました。
例えば、「けんか」という章に「おかあさんや おとうさんや せんせいに いいつけるのは ずるいんじゃないかな。」というのがあります。
これはまぁ、お互いが悪いけんかであるのに、大人につげぐちするのが良くないっていう事なんでしょうが、子どもが拡大解釈して、いじめられていることを親に相談するのを躊躇したりする可能性もあるので、ちょっと説明を付け加えてあげる必要があるかもしれません。
友達100人できるかな?
劇作家の鴻上尚史さんが「孤独と不安のレッスン」という書籍で「友達100人できるかな」という歌の問題点を指摘されています。100人も友達なんてできるわけがない、それは単なる知人であって友達じゃないと。
今だとTwitterのフォロワー数だったり、携帯のアドレス帳の人数だったり、昔だと、プリクラのシール帳だったり、友達(知り合い)の多さを計るものがあります。
世の中にはこれらの数が少ないとダメだと思う風潮があるように思います。もちろん知り合いは多い方が良いのかもしれませんが、これら全てを「友達」と呼べるかと言えば違うでしょう。
友達は、本当に信用できて心が許せる人が1〜2人いれば十分じゃないでしょうか。
いじめを苦に自殺を選ぶ子どもが後を絶ちません。大人の世界でもいじめが存在する以上、人間が集団になると、大小の差はあれ必ず起こるものなのかもしれません。
こういう悲劇をなくすためにも、子どもたちは広く浅くではなく、深くつき合える親友と呼べる友達を見つけて欲しいと思います。